臨床ニュース(深酒をするとタバコが欲しくなる理由)

アルコール依存症の禁煙が難しいのは、大量飲酒により体内のニコチン分解が速まるせいかもしれないことが、米ロズウェルパークがん研究所(ニューヨーク州)腫瘍学助教授のMaciej氏らの研究で判明した。

同氏は、「慢性的な大量飲酒により、ニコチンの代謝が速くなる可能性が示された。このことが、アルコール依存の喫煙者における禁煙率の低さに寄与しているかもしれない」と話している。ニコチンの分解が遅い人は、ニコチンが体内に長く留まるために禁煙しやすい可能性があるという。

同氏らは、アルコール依存症を治療中のポーランドの男性喫煙者らを対象として、禁酒の直後および4週、7週後のニコチン濃度を示すマーカーを測定した。その結果、アルコールはニコチンの分解を速めるように思われ、ニコチン代謝は禁酒して4週目には正常に戻ることが明らかになった。