神経筋接合部の加齢による変化を解明

東京都健康長寿医療センター研究所は6月27日、老化に伴う筋力低下や筋委縮に伴い、運動神経と骨格筋のつなぎ目の神経筋接合部の分子構造が変化することを明らかにしたと発表した。この成果は、最近注目されているサルコペディア(加齢性筋肉減少症)の病態解明や予防・治療法の開発に大きく貢献するものと期待される。

今回の研究成果により、神経筋接合部のアクティブゾーンの分子構造が、加齢により変化することを世界で最初に発見したことになる。アクティブゾーンは脳内の中枢神経細胞の神経伝達部位にもあることから、今後サルコペディアと認知症の因果関係を解明する重要な手がかりとなることが期待される。

ちなみに高齢マウスを使った実験で、1ヶ月ほど運動させると変化した神経筋接合部の形態が若返ることも報告されている。筋肉は何歳になっても鍛えれば機能が改善するとういう事は、当院でも常々患者に言い伝えている。