自律神経と血糖値

P1020637自律神経もインスリン分泌に影響を及ぼします。膵臓に分布している交感神経を刺激するとインスリン分泌は抑制されます。これはノルアドレナリンがB細胞のα₂アドレナリン受容体に作用した細胞内のcAMP濃度を低下させたためにおきます。

画像をクリック拡大してご覧ください!迷走神経(副交感神経の仲間)を刺激すると、ムカリン受容体を介してインスリン分泌は増大します。即ち血糖値が下がります。迷走神経の効果は血中グルコースの上昇とは無関係であり、例えば味覚刺激だけで誘発されるインスリン分泌⇒頭相が有ります。図は食事摂取に伴うインスリン分泌の概略であり、胃液や膵液の分泌と同様に頭相と、腸で認識する腸相が存在します。

※今回は少し難しい話になりましたが、星状神経節への近赤外線照射で血糖値が下がることをお伝えしたかった次第です。星状神経節とは、第一肋椎関節前方に位置する交感神経の節(星状の塊)です。ですから英語でステレートガングリオンと呼びます。その交感神経を緩ますわけですから、相対する働きをする副交感神経に緊張を引き起こさせる事が出来るわけです。迷走神経は副交感神経ですから!山口自律神経研究所の患者さんの中にはⅡ型糖尿病を抱えている方も多く、星状神経節照射をする頻度の高い患者さんは、専門医への定期検査で血糖値が改善しているので、医者が不思議がるようです。(笑い)当院の患者さんが、定期検査で医者に掛かるときに「何かされていますか?」と医師に問われた際、こういう所でこういう事をやってもらってます!と説明して、すぐにピンッ!と来る医師もいれば、そくざに理解できない医師もいるようです。