意外と知られていない胸骨筋のスパズム

交通事故の後方からの追突によるムチ打ち損傷では、首周囲の痛みや周辺筋肉等の緊張により、副次的に神経根由来シリーズの様なシビレや鈍重感なども出現する場合があります。外傷性頸部症候群などと最近は名づけられています。頚椎症性神経根症と同様の症状です。

しかし以外と知られていないのが、患者さんが痛みを訴える部位の立体的真反対に位置する筋肉のスパズム(持続的筋緊張)です。ことに胸骨筋の圧痛は、こちらから触って痛いですか?と知らせてあげないと、患者さんは痛い首の部分に意識が行っていて認識できません。胸鎖乳突筋や斜角筋群のスパズムに気をはらう先生はいますが、意外と胸骨筋は知らない先生が多いです。そこにそんな筋肉が有るのを知らなかったなどと言う呆れた先生もいます。

医は仁術より算術の先生は、「あっ本当だ!胸部挫傷で、もう1部位取れる」とニンマリするかもしれませんね。