全身に渡る筋筋膜性の疼痛

体のあちこちの慢性の痛みの大半は、レントゲンやMRI検査をしても異常所見が無いものが大半です。最近では筋筋膜性疼痛症候群(MPS)と呼ばれるようになっています。山口自律神経研究所で一番多い症状です。最近では白井市から来られた50代の患者さんがMPSでしたが、長年患っていた人ほど、押したり揉んだりマッサージしたり、無知の極みの頓珍漢な施術を受け続けて来ています。

はい。まずは注意事項3拍子で覚えて下さい!「押さない!揉まない!触らない!」はい!ここで患者さんの悪習慣を断ち切ります。そんな事をずぅ~っとやり続けて来た人にはカルチャーショックですね!そこから改善の道が始まります。

今回の患者さんの持続的筋緊張部位を上から列記します。{左顎二腹筋。左胸鎖乳突筋、右菱形筋、左右脊柱起立筋、左腰方形筋、右大腰筋、左右前脛骨筋}まあざっとこういった筋肉群が筋スパズムを起こしていました。患者さんにも良く説明する話ですが、「ルービックキューブを6面合わせるのや知恵の輪と一緒で、解く(緩める)順番が有ります!」最近ここまでは情報公開していますが、それが知識と知恵と治療技術です。1っヵ所づつ緩める前と緩めた後の確認動作をいれてもらい、納得(実感、感嘆)してもらいながら最終的に1回の治療が終了します。

胸郭出口症候群

主に円背などによる不良姿勢が要因となります。また反復動作の繰り返しや(今回はディズニーパレード着ぐるみを着て50回、長時間にわたる同じ姿勢の負担からも誘発されます。最近ではディズニーランドの契約社員(28歳女性)が労災認定されたことでも話題になりました。画像をクリック拡大してご覧ください!神経や血管が小胸筋や斜角筋群の位置で圧迫されて、その支配領域が痺れたり怠くなったり痛んだりする病態を胸郭出口症候群といいます。P1020807

日常診療で良く遭遇する症状です。この治療は技術を要します。ただ圧迫されている部分を緩ませてあげれば良いわけでは有りません。つい鎖骨の部分(神経血管が圧迫されている胸の部分)だけに気が行ってしまいますが、人間の体は3次元です。常に立体的に診なければなりません!即ち肩甲骨の動きをいかににして出してあげるかが鍵となり、腕の見せ所になると思います。つい数日前に胸郭出口症候群の女性を治療させて戴いたばかりですが、1回の治療で悪くない健側の方がむしろ重く感じるレベルまで、患側が極端に軽く楽に感じる状態まで改善させて差し上げました。治療中にも確認動作をいれてもらいますが、治療後左右同時に肩甲骨周りをグルグル360°回し動かす比べ方をしてもらうと、楽になった自分の体に患者さんがビックリ仰天します!ニヤッと笑う人もいます。

通院の間隔(頻度)

初診で来院された患者さんの話です。治療後楽になって必ず最後に聞かれるのが、「今度いつ来たら良いですか?どれくらいの頻度で通えば良いですか?」と言った意味合いの質問です。まずは「ご自由にどうぞ!」と答える場合が多いです。一瞬ビックリされますが、説明を聞けば冷静に腑に落ちます。大抵の慢性症状の方は日々生産するキリの無い症状です。軽い場合は、その場で患部が極端に楽になり、周囲の痛みを訴えていなかった部分の方が、むしろ動作が重くかんじるくらいです。

要するに来院のたびに、根本的にリセットさせて戴いております。やった方が良い事、ダメな事も一通りアドバイスします。ですので今度いつ来るかは、その人々の価値観です。自分の体のコンディションのケアにどれだけ、お金を掛けるかは、その人々の自由ですと!という意味で「ご自由にどうぞ!」と最初に言う事が多いです。10年、5年、3年来ている人も、いらっしゃいます。頻度は月に1回~5回の人、1年に2~3回来る人、数年ぶりに来る人など様々です。特定の通院頻度をアドバイスしなければならない病態の人に限り、この度いつ頃来たら良いかをお答えしています。

第三腰椎第四腰椎間の棘上靭帯の痛み

P1020804P1020806超ピンポイントの痛みです。棘上靭帯の圧痛です。動作では患者本人も良く痛みの場所が認識できませんが、触ると一目瞭然です。先生ココです!と患者が触って教えてくれます。近赤外線照射とレボックスの通電の3枚の写真を添付します。クリック拡大してご覧下さい。P1020802 棒状電極の拡大写真で確認できるのはボルタレンゲルです。スーパーライザーPXのSGプローブによるパルス照射5分で痛みが、かなり軽減します。仕上げがレボックスです。もう触っても痛くありません。 棘上靭帯のピンポイントの痛みは珍しくありません。日常診療でしばしば遭遇します。

疲労回復が目的の患者さん

痛みの症状では無く、単なる疲労感の場合は、交感神経への近赤外線照射で簡単に回復します。高級な疲労回復ジムなどの、時代のトレンドの場所で無駄に高級な価格を支払うのは、コスパに合いません。星状神経節や動脈の交感神経、脊髄神経への近赤外線照射、アロマタオルなどで快調にリフレッシュしていただいております。

 

 

治療実績例追加(モンゴル 女性)

モンゴル(ウランバートル)女性の症例を1件追加しました。いわゆる慢性腰痛です。1回の治療で極端に楽になったのが嬉しかった様で、笑顔で私の目を見ながら挨拶して帰られました。娘さんと、その旦那さん(日本人)の同時通訳の元に治療を行いました。パートパートで改善したのを確認動作を入れて納得してもらいながらの実況生中継のような治療になりました。2ヶ月間、婿さんの千葉市のマンションに滞在する予定だそうで、週に1回は日本に居るあいだ通いたいと言っていました。

後日談)よくよく聞いてみると、モンゴルの地方暮らしで牛を飼っていたのを売り払い、都会のウランバートルのマンション暮らしに生活が激変し、極端に外出の少ない日常に変化したのが要因のようです。治療実績例に「腰部脊柱管狭窄症」と書きましたが、それはモンゴルの整形外科医の診断名を尊重したわけで、実際には、そのような所見は有りませんでした。実はこの患者さん、娘さんが以前、股関節部の痛みで治療に来たことがありました。その娘さんの手配で数か月前に、モンゴルからMRI画像をEメールで送ってもらい既に私は見ています。来日してから書いていただいた問診票の人体図(辛い場所に印をつけてください)ではL1,L2のデルマトームの位置に一致した部分に印が付いており、膝から下のフクラハギや足の裏には一切印が付いていませんでした。腰部脊柱管狭窄症ですと通常はL4、L5、S1の支配領域を辛いと訴えます。診察でもL1,L2由来の疼痛を確信しました。

いつものことながら、日本全国津々浦々の整形外科の先生方!改め⇒世界の整形外科の先生方ありがとうございます。感謝します。日常診療に於いて画像診断(レントゲンやMRI)で全く異常所見が写らなくても⇒TH12、L1,L2由来を疑わせる疼痛症状は非常に多いです。その事を整形外科のドクターは知りません。筋筋膜性疼痛症候群と診断名をつける医師は、まだマシなほうで、(その診断名をつけたところで、楽にしてあげる治療技術が彼らには有りませんが、、)多くの整形外科医は原因不明と患者に告げます。今話題の早稲田大学の先生の様に腰痛体操を処方する程度が関の山ですね!その先生がPT(理学療法士)に対して「こちらが投げた患者を治せない!」と悪口とも取れる本音の愚痴を言っていましたが、その事(例えば画像所見で異常が無い腰痛)に関して無知な整形外科医と無知なPTがタッグを組んだところで治せるわけがありません。薬だけもらうのなら、薬局で手軽に買える時代になりました。何時間も待たされて投薬のみですから患者は怒り心頭です!!!ですので、益々患者さんは整形外科医に対して疑心暗鬼になります。本当にありがとうございます。嫌味や皮肉に聞こえるかも知れませんが本当に感謝しています。振り子に例えると最悪から最高へのふり幅が大きいほど人は感動が大きいようで(笑い)おかげさまで患者さんが楽になってビックリ喜ぶ笑顔に遭遇できる毎日です。(^^♪

 

 

小学校5年生の肘内障

P1020799マラソン中、自己転倒による負傷です。レントゲン写真は、異常が有りません。画像をクリック拡大してご覧ください!関節可動域も痛そうにしながらも、屈曲伸展、回内回外ほぼ正常です。腫脹も殆ど有りませんし、骨折や脱臼を疑う外見的変形もありません。サーモグラフィーカメラで左右の温度差を見ても有意差は有りませんでした。

しかし小5男子にしては、ややスリムです。背丈も小柄です。もしやと思い肘内障の整復動作を試みると、なんと橈骨輪状靭帯から橈骨頸部が亜脱臼していました。そうです。肘内障があったのです。

一般的には、肘内障は七五三脱臼という俗称でも呼ばれ、成長がしっかりしてくる7歳以降では稀なものですが、なかには11才でも12才でも有るのです。年齢から見て発育が遅そうだな!?と感じたら肘内障の整復動作を試みるべきです。

 

介護職の慢性腰痛

介護職の慢性腰痛の方は90%とも言われています。中腰の負担の多い現場ですので、腰に関わる筋肉を鍛えておく必要があります。マッケンジー体操などの腰痛体操も日々実践し、ご自分の体のメンテナンスも重要です。

患者さんとして縁あって訪れた人には、その場でマジックショーのように痛みを消してあげるだけではなく、再発を食い止める自己管理の仕方も分かり易く指導しています。筋トレや腰痛体操、人によっては心配する事が良くない⇒脳の背外側前頭前野の萎縮⇒痛みを出す。の話しまでします。場合によっては、脳の背外側前頭前野を頭皮から狙った近赤外線照射で、痛みの軽減をマジックショーのようにその場で知らしめて差し上げております。しかし日々生産するキリの無い筋疲労の蓄積から来る痛みですから、、、辛くなったらまたいらっしゃいますね!それで良いんですよ。きつい仕事ですから、人のために役に立ちたいという気持ちだけでは続きませんよ!

パターンとして多いのは、勤務している介護施設の母体となっている医療法人の整形外科に受診されるケースです。そしてぜんぜん良くならない!と来院されるケースですね!筋筋膜性疼痛症候群(MPS)と診断だけされて!(笑い)いつものことながら、日本全国、津々浦々の整形外科の先生方ありがとうございます。感謝します。

軽度認知障害(MCI)

高次脳機能障害にしろ軽度認知障害にしろ脳血流、脳萎縮のシリーズは、とにかく脳血流を改善するのが最大公約数的な改善目的です。これを否定する意見は有りません。患者として受診した場合、医療機関が勧めるのは、適度な運動、趣味、食事などの当たり前の事で、目新しいことは何もありません。自助努力です。特に治療は有りません。

自助努力以外で、脳血流を第三者に改善してもらうのが治療といえると思いますが、どの医療機関も、そういった自助努力のアドバイス(処方)しか行っていません。認知症になる前の段階ですから、やたらに副作用の恐ろしい向精神薬など処方が出来ません。例え比較的副作用の軽い薬の投薬があったとしても、それ以外の治療手段も知恵も有りません。

山口自律神経研究所では、極めて脳に近い位置の椎骨動脈と内頸動脈への近赤外線のパルス照射で劇的な改善を見ています。エビデンスとしては、右の脳血流改善後は左半身の運動性向上、左脳血流改善後の右半身の運動性向上などで明解です。簡単な50問くらいの認知症テストを持参していただければ、術前術後の正解率がなお明解です。

糖尿病の方

糖尿病の方が、交感神経の緊張を緩める治療をしますと、良くも悪くも血糖値が下がります。特にⅡ型糖尿病の方は顕著です。治療後は極端に楽になり背中に翼が生えたみたいなどと表現される方もいらっしゃいますが、問題は翌日です。糖尿病が酷い人ほど、だるくて動けなくなる傾向にあります。ATP(アデノシン三リン酸)がADP(アデノシン二リン酸)と無機リン酸(Pi)に分解される際にエネルギーが放出されますが、私たちの体は、このATPが放出するエネルギーを利用して体を動かしたり、体を作ったりしています。このATPは糖や脂肪、タンパク質(アミノ酸)が分解されて出来ています。普段糖尿病で血糖値が高い人が、自律神経の治療後、血糖値が下がりますので、前述したATPのしくみが一時的に上手く働かないことが推測されます。ですから翌日には用事を入れないようにしてください。翌々日からは絶好調になりますからご心配なく!

詳しい血糖値が下がる医学的作用機序を知りたい方は、2016年7月27日の院長の医療ブログ「自律神経と血糖値」をお読みください。