拒食症患者 他人の顔、過剰意識 脳の働き解明15人

自分の体形を実際より太っていると感じ、極端な拒食で著しく体重が軽い「神経性やせ症(拒食症)」の患者は、写真や鏡などで自分の顔を意識するように、他人の顔も過剰に意識する脳の働きをしていることを独協医大などの研究チームが明らかにした。米科学誌「プロスワン」に発表した。

チームは患者の多くに、自分の体形、腹部などを実際以上に太っていると感じる感覚異常があることから、体や顔のイメージを認知する脳の部位「紡錘状回」の血流量を調べた。10~15歳の女性患者15人と、10~14歳の健常者15人に、自分の顔と他人の顔の写真を見せた。すると、健常者は自分の顔を見たときだけ血流量が大きく増えたが、患者は他人の顔でも自分の顔と同様に血流量が増加した。チームらは、この結果を診断などに役立てたいと話す。

ちなみに紡錘状回とは脳底部のあるリング状の部位をいうが、自閉症の患者などは、逆にこの部位の血流量が極端に少ない事が知られている。脳血流改善で症状が改善する病状に関しては、椎骨動脈と内頸動脈へのレーザー照射治療で、大いに当院でも貢献させて戴いている。